凹むなぁ・・・

この週末
急に思い立って、アメリカ時代のビデオを引っ張り出してきて、見ていた。
10年前だから、こうくんもバボーもとにかくカワイイ。
うはうは言いながら「こりゃ老後の楽しみになるな~」なんて感じで見ていた。

特に、「あいせっの~う(ちがうって言ってるでしょ!)」とか友達に言ってる舌っ足らずのバボーの英語がミラクルに可愛くて何度も巻き戻して見たりして。

3才のこうくんに、5才のバボーがPECSもどきをしている映像なんかもあったりして、大笑い。
まだマニュアルも50Pくらいしかない時で
しかも、英語だからな~んにも知らずに形だけ真似していたので
「わ~、ちがう。そこ、プロンプトせな~」
「ほれみてみ~。こうくん怒っとるじゃん」
なんて、10年前の自分にダメ出ししたりして(爆)

でも

5才のこうくんの映像になった辺りで、戦慄した。

こうくんは、すごく成長したと思っていたけれど
な~んにも変わっていない部分も山のようにあるんだ。
この時期の10年って、ものすごく成長する時期じゃないの?
なのに
何で、今も全く同じことしてるわけ???

何だかとってもブルーな気持ちになってしまった。

折悪しく
今日は
児童ディの個人面談。
私がとよっちに「親としての本音」を言う滅多にない日だった。

普段は底に沈んでいる不安がビデオのせいで上の方に浮かび上がってきてしまっていた。

買い物の課題分析で、他は全部できるけど、お財布からお金を出すところが自分からは出来ない。
指さしすれば出来る、と言われて。
いつもならスルーできることが出来なくて余計なことを言ってしまう。

支払いは支援者がすればいいんじゃないか。
お金と品物を交換するという意味をこうくんが理解出来る様になるとは思えない。
お金渡しておつりもらってたら、交換だってわかる訳ない。
そんな訳のわからないことを延々とやるよりも
こうくんには、先々のことを考えたら、支援者が支払ってる間、大人しくレジのそばで待ってるスキルの方が必要。
選んでカゴに入れたら、払ってくれる支援者とか親を探すとかひっぱってきて、レジに連れて行けるようなスキルの方が、お財布からお金出すのなんかより、よっぽど重要。
だから、買い物時の支払いは練習させなくてもいいんじゃないか。

とか言ってしまい、とよっち呆然。
「中学生の親が言う事じゃないよ~。」

20才になったって、30才になったって
こうくんはお金の意味は理解できないんだから、
わからないことを無理矢理しなくてもいい。

現実として
こうくんが一人で買い物に行くことは絶対にないし
常に支援者と一緒にいるハズだから
支援者とこうくんが一番快適にスムーズに過ごせることを考えた方が建設的じゃないか。
出来ることや覚えられることに限りがあるのだから教えることは厳選したほうがいい。

選ぶなら、自分で財布からお金を出すスキルじゃなくて、これをオレのモノにしてくれ~(支払ってくれ~)と支援者に要求できるスキル、ってことだ。

シンプルじゃん。
それでいいんじゃん。

と自分で自分に言い聞かせて。
でも
やっぱり
凹むなぁぁぁぁ

働いて稼ぐために、お金の意味がわかって欲しいなぁとずっと思ってやってきたから。

ふと見ると、こうくんがヒモで遊んで舌を切ったか摩擦で火傷したかして、床や服を血だらけにしていた。
こう父が「何でここまでするんだ!」と怒りながら掃除をしてくれた。
ホントだなぁと思いながら、お風呂に入れていたら、何だか泣けてきた。

どうして、ここまで重いんだろうか。
頑張っても
頑張っても
5才のこうくんから抜け出せない。

出来ることはもちろん増えた。
それは、わかっているんだけど。

どれだけこういう思いをしたら終わるんだろうか。
それとも
終わりはないんだろうか。










この記事へのコメント

  • 三人息子母

    ずっと読ませていただいてます。初めてコメントします。せずにはいられず…。
    こうまま、凹むこともありましょうが、少しでも元気出して☆応援してます!!
    こうままの生き方は、歳の近い(私の方が少~し上)私にいっぱい教えてくれます。
    2008年12月02日 12:33
  • mio

    う~む・・・
    こうままがココで凹んだことを
    こんな思いっきり出しちゃうなんて
    よっぽどなんだろうな・・・

    こうまま~
    こういう時にこそ
    「一人じゃないよ♪」
    って言葉思いだすのじゃ^^
    同じ思いの親がここにも居ますがな~

    昔のビデオはヤバイです^^;;
    たぁさまも2才のころと何ら変ってない部分だらけ。
    ひとりで外出して帰ってくるなんて一生ありえないことだし
    自分でなんとかする事よりも
    支援者を使うテクニック身につける方が
    たぁさまが生きてくためにはよっぽどプラスになる。
    私はとってもいい加減な奴なので
    的がしぼれた分、楽になった と思っちゃったけど
    (決してあきらめたとか投げやりとかではありませんわよ)
    それでも「何だかなぁ~・・・」
    って思う事も1年に1回くらい?はあります。

    悩みの種は違えど、人ってどんな子を授かっても
    親である限り一生イロイロ悩んだり
    あーだこーだ言いながら生きていくもんなんだよな
    と思いますわ。
    2008年12月02日 14:33
  • ゆみみ

    はじめまして。
    といっても、こうままさんご一家がアメリカにいらっしゃる頃からウエブサイトを拝見していたので、もうすっかり長いお付き合いのような気持ちを一方的に抱いています。
    カリフォルニアで自閉症児のボランティアをしている経験から、こうくんの日常についても、ある程度把握することができます。
    ひとつ言える事は、前進は目に見えない速度でも、後進はあっという間である、ということです。
    後進の速度たるや、とめる事はできないほどの早さです。
    いまのこうくんは、こうままさんあっての事です。
    目に見えない前進でも、カメラを見て写真にうつっている最近のこうくんは、こうままさんとこうままさんご家族、そして支援した皆さんの賜物です。
    こうくんだけでなく、周りの方の前進も、素晴らしいではありませんか。
    こうくんを育てているこうままさんに、感謝している方もたくさんいらっしゃることでしょう。

    部外者は、いくらでも簡単に応援や非難をできるのは承知していますが、ひとこと言いたくて書き連ねてしまいました。

    2008年12月02日 16:13
  • Gabrielle

    いつも拝見させていただいております。
    障害者を社会の端に追いやって、目をつぶる的な国、フランスにいますと、こうままさんのブログは本当にヒントが一杯でいい本の大事な部分だけ読んでいるような感じで、読ませていただいてます。

    私もつい先日まで子供(7歳半)のビデオは封印していました。
    偶然先日見たときも「懐かしさ」とともに溜飲が下がるっていうのでしょうか、何ともいえない苦しさを覚えました。
    今はできないのに、ビデオの中の1歳当時できていたことが結構あるんです。
    こうままの言われるのと同様、まったく変わってない部分もありました。
    もちろん、当時にはできなくて、ABAのおかげで今できることはたくさんありますが、療育のおかげでの発達とともに自閉症児としての発達も進んでいるというのが実感です。

    この子たちは彼ら独自の発達をしていくという、よく本に書いてあることを、ビデオを見て実感しました。

    私も時々、「毎日、四苦八苦して療育することに何の意味があるんだろう」と思い、涙することがあります。逃げたくなることがあります。

    子供を愛する親ですから、いつも客観的にいられるわけがありません。当たり前です。
    悲しいときは一杯泣いて、凹む時はトコトン凹んで、またやる気になる時を待ちましょうよ。

    こうままの思いは私たち自閉症児の母親、ひいては障害児の親、みんなに共通な思いです。私の子供も重い、でもやっぱりこの子を愛している。
    この子とともにどこまでいけるのかは未だに手探りだけど…。

    少しでも元気を取り戻されるように祈っています。。

    2008年12月02日 16:56
  • すけぽん

    いつも読ませていただいてます。
    コメントはたしか3回目だと思います。
    先日ある人に「すけぽんさんは頑張ってるよね。自分がへこんだ時は、すけぽんさんを思いだして頑張る!」と言われました。息子は現在6歳で、発達年齢は3歳です。できることは増えましたが、会話は一方的、床に水をまいたり、うん○で汚れた手を壁でふいたり、異物を口に入れたり、危険もわからないので目が離せません。がんばらざる得ない状況なのです。こうままさんと比べるのもおこがましい程私の頑張りはまだまだですが、私が、がくーんとへこんだ時に思いだして頑張れるのは、こうままさんなのです。「頑張る」のって、時に重荷に感じることもあります。でも誰かが自分を思い出して「頑張れる」ことって、自分にも励みになる気がして・・・。最近好きになった言葉「何ができないかではく、何ができるかをみつめることが重要である」長くなってすみません。また読ませてくださいね。
    2008年12月02日 17:04
  • げげ

    こうままさんはこうやって凹んだことを隠さずに語れるからこそ、沢山の人が集まって、皆がこう君を好きになったんだと思います。
    息子の場合、言葉もあって、おもちゃでも普通に遊べた時期があった(折れ線型ってやつ?)ので、あの頃のビデオがもしあったらそれはそれでつらいだろうなぁと思います。
    息子は重複クラスですので、普通クラスのお子さんとははるかな差がありますが、同じ知的に重い子でも視覚支援や見通しがなくてもパニックが自傷がない子がいるのを知って、「どうして息子はこんなに大変?私は傷だらけ?」と思ってヤケ気味になってしまう時があります。
    うちは夫に問題アリなので、そのことも拍車かけてるんですけどね~。
    息子に関しては人とのコミュニケーション力は随分育ってきたなぁって思います。
    息子の紐振り暦は二年かな?一時期やはり摩擦で赤くなってしまったので、テープ状の包帯でグルグルにしてました。最初は取っちゃったけど、毎日続けていたら自分で手出すようになってんですよ。こういった時は本当に驚きますね。
    2008年12月02日 17:11
  • こうまま

    ◇三人息子母さん
    コメントありがとうございます。
    元気になったり凹んだり・・・
    人生イロイロですよね。

    ◇mioちゃん
    何か、今回は絵カード処分した時より凹んだよ~。
    これまでも
    マッチングから手をひいたり、色の弁別から撤退したり(爆)してきたけども
    そのたびに、なぜここまでスペシャルなのかと思ってしまう。
    どうにもならないんだけど、やっぱり、思っちゃうんだよねぇ。
    ま、しゃ~ない。

    ◇ゆみみさん
    ありがとうございます。
    確実に前進しているのですが、なかなか見えないものですよね。

    ◇Gabrielleさん
    ビデオって残酷ですよね。
    3才のこうくんの方が上手にペン持ってぐるぐる絵を描いてたりするし、カップ重ねてたりするし。
    愕然としちゃいますよね・・・。
    私も逃げたくなることよくあります。
    フランスも他の欧米諸国に比べるとなかなかきつい状況だと聞き及んでいます。
    先日、映画の情報を得ました。
    「彼女の名はサビーヌ」
    http://www.uplink.co.jp/sabine/
    サンドリーヌ・ボヌールが自閉症の妹のことを描いた映画で、政府を動かすために作ったそうです。
    実際、サルコジ大統領が動いて、いろいろ予算がついたとか。
    自主上映のようですが、機会があれば見たいと思いました。

    ◇すけぽんさん
    本当に全く、どこまで汚いことをしたら気が済むのかと思います。
    毎日夫婦で掃除ばっかりしていますが、無心でやらないと腹が立つので、頑張って無心で掃除してます。

    ◇げげさん
    折れ線ですか。
    キツイですよね・・・。
    こうくんも、1才頃は普通に「まんまん」とか喃語が出ていたんですが、2歳時には奇声だけになりました。
    自閉症って不思議な発達過程をたどるのですよね・・・

    2008年12月02日 21:21
  • ジャスミン

    こうまま~
    遠いみかんの国からこの日記を読んで
    うるうるきています。
    でも弱音を吐いてるこうままも好きよ。
    良いじゃない人間だもの。
    凹むこともあるわよ。
    スーパーマンじゃないんだもん。

    さてさて最重度のキラキラ王子を育ててる
    ジャスが通りますよー

    王子に関してはほとんど凹まない
    アタクシなんだけど
    なぜ凹まないかというと
    頑張ってないからなんだろうなー
    ホントはもっとできる事いっぱい
    あるんだろうけど最初からあきらめて
    しまってる部分が大きいんだよね。

    でもさ、以前目を離したスキに服着たままお風呂入って
    遊んでた時は号泣したわ。
    だって服脱いで入れるように
    なってたんだもん。うえーん
    来年4年生なのに、あの子は
    なんであんなに天使のように
    可愛い赤さんみたいなんだろう。

    >シンプルじゃん。
    それでいいんじゃん。

    うん。本当にそうだね。
    でも、それを言えるのは
    日々こうくんを支援しているからこそ
    言える言葉だと思うのよ。
    だからこそすごくずしんとくる言葉です。

    2008年12月02日 23:18
  • saitou

    同じさぁ

    本当に

    凹むさぁ

    そして又

    少しだけ何かがわかるさぁ

    シンプル イズ ベストじゃ
    2008年12月03日 09:07
  • あられ

    「・・・、じゃ、オムツをゴミ箱に捨てるって事をしてもらおう、と。」
    私「ゴミ捨てって難しいです~」
    「え、でも、プットインですから、割とできますよ」
    という会話が甦りました(とよっちさん、覚えてるかな)
    本人に興味のナイ物を手にキープって難しいし、接触障害もあったから逆プロンプトも困難で。口に持ってく場合アリだったし。でも、それはウチの坊主の場合。
    そんな坊主も今は、ゴミ捨て、支援すればやるしなぁ。だから。黙ってました。
    もう、来春は高校生。でも。
    「支援者と共に歩む」がテーマは変わらず。
    託す相手からの真実は、時には残酷なのも事実。



    2008年12月03日 19:13
  • あられ

    ↑ クレーンとプロンプトやらごっちゃに・・・
    文章が変で すみません。
    「クレーンも逆クレーンもプロンプトも困難」って言いたかったのでした。
    2008年12月03日 20:35
  • いづみずき

    こうままさんがダイエットをされているときからの読者です。こうままさんが落ち込んでいるのを呼んで励ましにはならないけどメールしたくて…
    私も長男が知的障害のある自閉症、三男がアスペルガーとわかった時まではそれほど落ち込まなかったのですが長女が自閉症、次男は自閉症は一応ボーダーだけどLDとわかったときは落ち込んでしまい、パキシルのお世話になっています。主人もアスペっぽいし、孤軍奮闘しています。というより、毎日アップアップです。こうママさんのプロブを励みにがんばっています。年齢的にはこうパパと変わらないので老体に鞭打ってが正しいかもしれません。
    2008年12月03日 20:39
  • こうまま

    ◇ジャス
    なんでここまでするかなぁと思っちゃう。
    今日もきーきー奇声あげて床中紙粘土だらけにしてるよ~。
    気にならないときは気にならないんだけどね。

    ◇saitouさん
    はじめまして。コメントありがとうございます。
    凹んでまた登っていくって感じですよね。

    ◇あられちゃん
    身体プロンプトができないのは難しいよね。
    こうくんは、それはなかったから教えるのは全部二人羽織でした。

    ◇いづみずきさん
    はじめまして。コメントありがとうございます。
    4人のお子さんがスペシャルで・・・その状況で落ち込まない人はいないと思います。
    乗り越えることはできませんが、なんとかやり過ごしていけるよう、お互い強くなれるといいですよね。

    2008年12月04日 18:43
  • 煌父

    初めてコメントします。煌父です。

    こうままさんの素顔のコメントを見て、みんな同じなんだな、と思いました。

    昔、自分の母親に言われたことを思い出しました。子供の苦労に一生をささげられて幸せじゃん、親離れしなし。

    親としてはそんな話じゃないじゃん、と思いましたが、ものは考えようだな、と思いました。

    あまり無理はなさらず、ストレスたまったら飲めばいいじゃん、くらいの気持ちで僕は居ます。

    大変でしょうけど、ほどほどに

    初めてのコメント経験です。乱筆乱文ご容赦ください。

    では、失礼します。
    2008年12月14日 23:03
  • こうまま

    煌父さん、コメントありがとうございます。
    毎日飲んでるので、休肝日が必要なワタクシです。

    親離れはすると思いますが、子離れ出来るかのほうが心配な今日この頃です・・・・(泣)
    2008年12月14日 23:54

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