2010年05月13日

ちょっと切ない・・かも

ABAco-1.jpg
自閉症の子どものためのABA(応用行動分析)基本プログラム2
『家庭で無理なく楽しくできるコミュニケーション課題30』
~ことばを育てる「思い」を伝える~
井上雅彦編著・藤坂龍司著 (学研)

うわさ通り
めっちゃスゴイ本です。

久々に一気読みしました。
いや~
この本が2000円で購入できるなんて
10年一昔とはよく言ったモノです。

まさに10年前
当時はまだアメリカにいたのですが
この本の著者である藤坂さんに掲示板で質問させて頂いた事を思い出します。
確かこうくんのよだれじゅるじゅる攻撃についてだったような気がします。

当時4才だったこうくんは、敷き込みじゅうたんをよだれでべとべとにして、それを口で吸い上げてまたはき出すという世にも恐ろしい行動をヒマさえあればしていて・・・
いや~
今思い出しても恐ろしい。

ふじさん(というHNでした)は「水分の摂取を控えて、よだれを減らす」という、今の私だったら「まぁ、それもアリかな」って感じの建設的な提案をしてくださったのですが
当時の私はそんな事思いもしなかったので
「そんな、水をあげないなんてギャクタイだわ」と拒否反応おこしてしまい
ふじさん=コワイ人=近寄らないようにしよう
という印象が長らく続いてしまいました。
何とも、もったいないことでした。

もちろん
実際の藤坂さんは、穏やかで素敵な紳士です。
受け手の準備ができていないと、せっかくのアドバイスも役に立たないことがあるんですよね。
残念なことです。

で、本題。

この本は素敵です。
おうちでこつこつホームセラピーができるように書かれています。
第一章を丁寧に読んで、そこが理解できれば可能です。

井上先生の書かれたこの1章を読んで
ここ数年、勉強してきたことが整理できた感じがしました。
なので
今の私だったらある程度いい線いくと思います。
でも、こうくんが2~3才の頃だったら多分無理でした。
上記のようにふじさんのアドバイスも受け入れられない私でしたから。

つまり
この本は、ものすごくいい本なんですが
おそらく、この本に書かれているプログラムを実施する対象である2~3才のお子さんの保護者で
すぐにこの内容を素直に「これはいい」と感じて
速攻で勉強して理解して実行できる人は
相当に少ないのではないかという点で
とっても切ない本だと感じます。

逆にこの本を読んで「もっと早く知りたかった」と思う方も多いはず。
いっぱい勉強して
ようやくわかりかけた頃には
もう、息子は10才を超えていて・・・
みたいな。

私もご多聞にもれず、本棚いっぱいに自閉症関連の本が並んでいますが、
こんなにわかりやすくABA早期介入プログラムについて書かれた本を読んだことがないです。

頑張ってきた親を
ちょっと
複雑な気持ちにさせる本かもしれません。

とは言え
近くにフォローしてくれる専門家や支援者がいる方は
是非、読んでトライしてみたらいいと思います。
自分の子どもに合わせてアレンジが要るので
その部分で相談できて適切なアドバイスをくれる方が必要です。
素人の親が全く一人で「無理なく楽しく」やるのは
元々相当に頭が良くてセンスのある方でないとムズカシイかと。

どっちかっていうと
親御さんより、STさんとか療育施設のスタッフとかが読んだ方がいいんじゃないかと思います。
うちの法人で運営している母子通園や単独の未就学児童のディで取り入れたいって思うモノがいくつかありました。

そうそう。
大受けしたイラストがあります。

ABAco-3.bmp
これとか

ABAco-2.bmp
これ。

私、同じ事してた~~~~。
だって
こうくん、イスに座れなかったんだもん。

でも
お行儀が悪い事だと思ってて
人様にオススメするどころか
人前では絶対しませんでした。

なんだ~
普通のことだったのか~。

うちのディで
こうくんと同じくらいの機能レベルのお子さんに
動作模倣を練習させたりする場合は
asa-1.bmp
このように、2人体制で行っています。
黒子がいる方が、行動形成は早いし混乱もしません。

多分
DQが20を切る子の場合は
この本に書かれているプログラムの前に20ページくらい前段階が要るんじゃないかと思います。
ってか
私はこの10年、その前段階だけ必死にやってきたって感じです(爆)

何はともあれ
今、めっちゃ忙しいのに(明日までにチラシ仕上げなきゃイケナイのに)久々に長文で語りたくなっちゃうくらい
素敵な本に出会えたってことをお伝えしたかったのです。
まとまりのない文章ですみません。

幼児期のお母様、必読でございます。
最初の1章を読むだけでも2000円の価値ありまっせ~。
posted by こうまま at 20:22| Comment(9) | TrackBack(0) | 本・TV・映画 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おばんです。
私、足技得意でしたよ~~。
仕上げ磨きも必殺足技固定で瞬時が命
でも、こがパターになると足技をかけるのが楽になりましたね・・・。
ばあちゃんたちの前で披露した時には驚かれましたけど・・・・(あっはっはっはっは~)
介助者が望めない環境だったので必殺ガムテープ固定で動あかし方を私がやるとか・・・
この本を読んだときに、違和感なく「ふんふん」と読んだ記憶が・・
勉強会でもお勧めしたような・・・
ただし、マリオネットくんには別プロ、前段階をはしましたけど・・・。
確かに、「ふんふん」とはいる段階のひとは「早くこの本に出会いたかった~」という年齢の方かもしれないな~と・・
こうママさんのコメントを拝見して感じました。
Posted by き at 2010年05月13日 21:13
◇きらママ師匠
やっぱそうでですよね~。
そうやって、行動を作ってきたのですよね。
これ、先日発売されたばかりの第二弾の方なんです。
第一弾も、こうくんレベルだと使えるとこ殆どなかったんですが、今回は更にない(爆)です。
でも
ものすご~くいい本だと思います。
Posted by こうまま at 2010年05月13日 23:44
 この本、気になっていました。ご紹介ありがとうございます。やっぱり買おうっと。うちの坊主には、使えないかもしれないってことも、覚悟して。。。(笑)
 「切ない」って、そういうことありますよね。ちょっと違うかもしれないのですが、以前「あまり役に立たないなぁ」と思っていた本も、今読み返してみると、すごくいいことがいっぱい書いてあって、私は何を読んでいたんだろうって。
 なんか、真新しいことを受け入れるって難しいんですよね。
 私の場合、9割ぐらい自分の考えと同じような内容だと、すんなり読めてちょっとだけ新しいことも受け入れられるみたいで、どんどん新しい考えを取り入れていかれる方がうらやましいです。
 年を取るごとに、その傾向が強くなってきているようで。。。

Posted by ぴさまま at 2010年05月14日 00:38
こうまま、すっごく同感です。

ABAや療育との出会いは、時代も背景も環境の影響もありますよね。

家の子はアスペですがこの複雑な気持ち、分かる気がしますよ。
私は我が子には、療育らしいことは何もできませんでした。
全て私のオリジナルレシピだったと言ってもおかしくないくらいです。

家の場合夫が診断自体に激しく反対だったのと、「食べて行くだけで精一杯」だった我が家にとって、サインが見えていても介入ができないまま何年も過ごしたから。

1人目の子どもが2歳3歳の子の親は親としても新米です。
その親が精神的に、そして経済的に、理解のない親も説得してABAをやる。
そこまでのハードルがいかに高いか。

私は息子が11歳になってから初めて、セラピストをして、小さいときの息子と同じようなタイプの子がぐんぐん伸びたのを実際に見ました。

複雑でした。

早期介入を受ける若い親御さんは半信半疑ですが、システムがあるからできるんだと思います。

建設的なコメントでなくてごめんなさい。
昔のインターネットがなかった時代に比べると、
いい方向には向かってると思います。

複雑な気持ちがすごく分かる気がして、ついつい共感のコメントを書かずにいられませんでした。
Posted by Mママ at 2010年05月14日 11:19
◇ぴさままさん
プログラムはこうくんには殆ど役に立たないけど、めっちゃ勉強になるし「ああ、わかる~」って本です。
ぴさままさんだったら、難なく読めて、頭が整理できると思います。
赤丸でオススメです。

◇Mママさん
あ~、なるほど。
Mママさんは確実に
私の思いに共感してくださる方のお一人ですね。

複雑ですよね。
こうくんと同じくらい重いお子さんで、3才から関わってる子が年長で遂に動作模倣を獲得したのを見たとき、素直に感動し喜んだのですが、同時に泣きそうになる自分がいました。
切ないです。
Posted by こうまま at 2010年05月14日 22:30

本読みました♪素敵な本ですよね~~~ 我が家にはタイムリーな本で興味深くうなづきも多いです。

ただ、自分も十年後に現在ではありえないような療育システムや書物が出てきた時に「うちの子の時代はあんなだったのに…」て比べてもっと早く知りたかったときっと複雑な気持ちには絶対になると思う。だって親だから…

重度の子は、こうままさんがおっしゃっるようにプログラム開始前のその子にあった「前段階」が必要になってくると思う。
井上先生が書かれている「家庭療育を始める前に」の部分だけれどここを理解してクリアできるかが早期療育の効果をだせるかのカギだと思います。

セラピー自体は親には無理だとしても、通園施設の日常や言語・作業の訓練にどんな意図や効果があるのを知っておくのは知らずにこなすよりも大切な事だと思います。知る事により何が今の時期、自分の子に必要なのか選択していく事ができるし不安も減る気分がします。
Posted by サポ母 at 2010年05月14日 22:39
◇サポ母さん
そっか~
タイムリーなのか~
いいな~(爆)


「今の若いモンは・・・」
と同じかもね。
Posted by こうまま at 2010年05月15日 12:20
本読みました~2が出ているのは知らなくて本屋で買いました。
家もタイムリーな本です。5歳年長の娘が知的中度、言葉は単語くらいなのですから・・・。
家には知的には中度、の自閉症の中学2年の長男がいます。やり直しと言うならそのとおりなのですけど次男が自閉としてはボーダーでLD、アスペルガーの三男がいていっぱいいっぱいの生活を送っています。周りに助けてくれる親戚はいないし、主人もアスペルガーぽくて手助けにならないので私自身は全員がそうだとわかったときから精神安定剤を飲んでいます。ごめんなさい余計なこと書きすぎました。
私も本をよんで複雑な思いがしました。それはこうままさんが感じているのと違うけど近いかなって・・。うまくは言えませんが。
やり直しが出来るチャンスはもらったけどうまくやれる自信がない。普通学級に行っている2人の通級や宿題に追われたり、生活に追われたり。送り迎えだったりで・・・それも言い訳なんでしょうが・・
たまたま「くらやみの速さはどれくらい」というSF、自閉症者が治療によって治るという小説を読んで考えさせられた後にコメントを書いたのでいろいろな思いが噴出してきました。小説はお勧めです。
Posted by いづみ at 2010年05月23日 16:53
◇いづみさん
やってあげればきっといいんだろうとわかっていても無理な状況というのはあって・・・
そういうのは、もしかして「知らなかった方が幸せだった?」と思ってしまうことってあります。

私は、ものすごい田舎に住んでいて、分かっているのに出来なかったことがいっぱいあって・・・・
もっと、身軽な立場だったらと思ったことも正直あります。

でも、今の環境で出来ることを精一杯するしかないんですよね。
Posted by こうまま at 2010年05月23日 21:01
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