2006年08月18日

TEACCH視察研修報告2

【自閉症児クラス】

GHA(Group Homes for Autistic)の運営する公立小学校の中にある自閉症児専門の教室。
class1.jpg

GHAは、その名の通り、元々はグループホームから始まったのだけれど、28年の歴史を経る間に、ディサービスや公立小学校の教室運営まで幅が広がってきたそうです。

全生徒数500名の公立小学校の中に、4名の自閉症児クラスがあります。
LDやADHDといった発達障害の子ども達のためのサービスは全米規模で行われている特別教育の支援サービスがあるので、対象の子どもはそちらで支援を受けています。(リソースルームとかで・・ね)

当然ですが(TEACCHで、という意味で)壁に向かって机と棚が設置され一人一人に個別の空間が設定されています。

Ws1.jpg
よくあるごく一般的なワークシステム。
TEACCHの本ではお馴染みのスタイルです。

ただ、知らない方がいるかもしれないと思ったのは→部分の「First&
Then」

Fs1.jpg

このレベル(足し算・引き算)のタスクができるお子さんでも「今と次」の2枚のスケジュール提示をしています。
これはちょっとビックリしました。
確実に分かるまでは上の段階に進まないのです。
「失敗経験をさせない」というTEACCHの理念ですね~。
これに関しては、失敗して学ぶことがこうくんの場合結構あるので、私自身は全面賛成ではありませんけども、モチベーション維持のためには大切な事だと思います。


さて・・
このクラスに一人だけ「実物提示」のお子さんの机がありました。
当然、こうまま釘付けで、スタッフの一人に質問しまくりました(笑)

Ob1.jpg
彼のオブジェクト・キュー

タスクも現在こうくんがやってる「入れる」や型ハメなどのごくごく初歩のものばかりでした。
そして、やはり特筆すべきは、隣に設置されたロッカーでしょう。

ObR1.jpg
鍵付き収納棚(激爆)

いずこも同じなのです。
オブジェクト・キューもシューボックス・タスクも出しておいたら破壊されちゃうのだそうです。
なので、鍵付きロッカーからその都度スタッフが出しているのだそうです。
ははは・・・
どこぞの家のロッカーみたいですなぁ。

システムは、
次にやるべき事を実物で示して、その実物を持って移動し(その実物を置くべき位置が設定されている)活動を遂行したら、支援者がまた別の実物を手渡す
という、ごくごくシンプルなもの。

庭で遊んでるこうくんに、タオル見せて手洗いへ誘導し、お茶碗見せて夕食を知らせる・・・
幼児の自閉ちゃんの親なら誰でもやってる事ですよね。
ただ、障害が重いとその期間が長~いってだけの話です。

養護学校の先生が「行事参加の練習」について質問されていました。
「そんな意味のないことには参加しないから練習もしない。仮に保護者がどうしてもそれを望んだら、自分たちはプロであることに誇りを持って説明し保護者を説得する」と。

まぁ、この辺り、行事の多い日本の学校とは事情が違うので何とも言えないけれど、「そういう選択もアリ」であることも知って頂けたらと思います。
集団での行事に参加することが無意味だとは思いません。
ただ・・・限度ってのはあると思います。

サマープログラム中のちょっと学校が休みの日にお邪魔したわけですが、話のニュアンスから、どうも子ども達が親元に帰っていないような印象があったので、そこをちょっと突っ込んで聞いてみました。
そしたら、ここに来ている4名の子ども達は、行動の問題が大きいために、親御さんが育児出来なくてGHAに預けられた子ども達だったのです。
普段はGHAの子供用グループホームに住んでいるから、、当然休暇中も家ではなくてグループホームにいるわけですね。

ノースカロライナにおいても、やっぱり現状は厳しいのです。
育てられないくらい問題行動のある子はやっぱり存在するし、そういった子は親元離れた生活を余儀なくされていて、親元に戻すこともなかなか難しいのです。
posted by こうまま at 01:14| Comment(9) | TrackBack(0) | TEACCH部視察研修 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こうままさん、遅くなりましたがお帰りなさい。
>切り取られた(紹介された)中に「最重度」の方達の姿が見えてこなかったからです。
どうしても、重度・最重度の方達のノースカロライナでの生活の様子をこの目で実際に見たかったのです。

この言葉にとても感動して毎日ロムらせていただきましたが・・夏休み中・思春期序章にてなかなかコメントまで至りませんでした。読み逃げごめんなさい。
でもでも天下のノースカロライナでも問題行動のたくさんある重度の子の現状は厳しいんですね。運動会などの集団行動もその前の練習期間からうちの息子は大変ですが・・参加しないなんて選択肢・・考えもしませんでした。
いつも考えさせてくれるこうママさんブログの感謝
Posted by らんらんママ at 2006年08月18日 07:47
実物提示の様子ありがとうざいます。実物に直接シンボルを貼り付けているのがなるほどなあと思いました。これなら、人(支援者)によって使う実物が異なることも防げて、この活動の時にはこの実物を使うと共通理解できますね。それにシンボルに注意が向き、違いが分かるようになればカードに移行できるかもしれませんし。
40代の方が使っている実物もこんな感じだったのでしょうか?
Posted by コアラ at 2006年08月18日 14:48
「行事参加は意味がない」とは思えないし、こうままさんおっしゃるように、「限度」の問題かなあという気もするのですが、ではなぜ、「意味がないと」結論付けたのか、理由は?根拠は?なんなんだろう???(?_?)
Posted by ふみちち at 2006年08月18日 15:35
はじめまして、こうままさん。

時々読ませていただいてるのですがコメントははじめてなので
ちょっとどきどきです。

「行事参加」に反応してしまいました。
学校行事については時々疑問に思っていたのですが、
息子の同学年のお友達がそのことで高等部への
進学を迷っていることもあり最近よけいに気になっています。授産施設の方が落ち着いて過ごせるのではないかって。行事の受容は繰り返しのスパンの理解度でもちがってくるのかな。毎日が分かる子、毎週が分かる子、毎年が分かる子、それぞれの分かっている周期の中に存在する行事なら大丈夫ですよねきっと。うちの息子は好奇心旺盛タイプでお祭り大好き、1年の繰り返しも分かってきたので行事で楽しめる部分も多くなってきたようです。
それに添った集団行動ができるかは別ですが。「集団行動」こっちの意味がおおきいのかな。それで「そんな意味のないことには参加しないから練習もしない。」という言葉がででいるのでしょうか。「集団行動」には本当に悩まされます。このスタッフの言葉 言い放ってみたいかも。
Posted by ぷみはは at 2006年08月18日 18:07
◇らんらんさん
そうなのです。
やっぱり、世界中どこに行ったって、最重度の方への支援は大変なのです。
当たり前のことですよねぇぇぇぇ

◇コアラさん
>40代の方が使っている実物もこんな感じだったのでしょうか?

実は違うんですよ~
オブジェクト・キュー自体も違うし、提示の仕方も違うんです。
ディサービスで使ってたオブジェクト・キューはもう一歩カード寄りでした。
これは絶対書くから、ちょっと待っててね。
本当に、「実物提示」でも個別にいろいろあったのでした~。
システム(提示の仕方など)も含めて、どれが分かりやすいかってことなのだと思います。

◇ふみちちさん
>ではなぜ、「意味がないと」結論付けたのか、理由は?根拠は?なんなんだろう???(?_?)

ふふ。
疑問を解決するために、来年行かれますか?

ただ、私が言えることは
普通級に在籍してリソースルームを使ってるような多くの自閉症児は参加してると思いますよ。(私が住んでたイリノイ州では参加してました)
GHAの自閉症児クラスの子たちは「その問題行動があまりにも深刻なために親が育てられなかった」子たちなのです。
「行事は彼らにとっては刺激が強すぎる」と言っていましたね。
ここで言ってるのは、行事でやることの意味が全く理解出来ない重度の子にとって、それに参加することに意味があるのか、という議論なのです。
一般論じゃなくて、最重度・重度に絞った極論であることをご承知置き下さい。

◇ぷみははさん
行事参加で高等部進学を迷う・・・
そういう事なのですよね。
授産施設の方がもちろん変化は少ないですから、落ち着いて過ごせますよね。
行事が楽しめるのと集団行動ができるか否かってのは別の話ですよねぇぇぇ。
わかりますぅ~~~
Posted by こうまま at 2006年08月18日 19:31
実物提示にも個に応じていろいろスタイルがあるんですね~。実物提示の事例ってほとんど書籍には載っていないので,画像や内容に釘付けになっています^^
期待して待っていますので,よろしくお願いします。
Posted by コアラ at 2006年08月18日 20:13
初めまして。
行事の参加についてですけど、そもそもアメリカって日本ほど学校行事が盛んじゃない。
おまけにどうでも良い行事が多いですよね。
アメリカは個人主義の国だし、日本では違和感を感じる部分かもしれませんね
Posted by 通りすがり at 2006年08月18日 20:59
こうままさん、ぶみははさんへ

そっか~!!
そういうことか!!!
勉強になりました。ありがとうございます。(^_^)v
Posted by ふみちち at 2006年08月18日 21:13
◇コアラさん
>実物提示の事例ってほとんど書籍には載っていないので

ですよね~。
私もそう思っていたんです。
システムもそんなに紹介されていなくって、絵や写真や文字のものばかり・・
「最初は実物で半実物で写真ードへ・・」なんて例が書いてある程度で、
「そんな簡単に1行で済まさないでよっっ」って思ってました。
こうくんの場合、カードに移行する前にしなきゃイケナイ「システム理解」の部分が甘いままカードに移行しちゃったので、上手くいかなかったのだ思います。
実物提示って、多分、対象児者が少ないからカットされちゃうのでしょうが、私にとっては「100%」なので(爆)詳しく書きますわ~。
Posted by こうまま at 2006年08月18日 21:38
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