2006年08月23日

TEACCH視察研修報告4

【CLLCにおける実物提示】

CLLC(Carolina Living and Learning Center)
TEACCHが直営する数少ない施設の一つ。
全米の施設から「最も対応が困難」であると言われた成人の自閉症者が集められ、その中から更に困難な5名に絞り1990年にスタート。
現在30代~40代の方15名が生活している。
他に通所者2名。
別の施設に移った方はいるが、地域に移行した例はない。
広大な敷地に作業棟や居住棟がゆとりをもって配置され、農作業などへの取り組みもしているが、小舎制の入所施設の感は否めない。
男女が同じ居住棟に住んでいる。
スタッフがほぼ1対1で対応し、大変手厚い


このCLLCでで、実物でのスケジュール提示の方が2名いらっしゃいました。

obSch1.jpg
赤いカードに本人の写真が貼ってあり、このカードを渡す=スケジュールをチェックしにいく、になる。

obSch2.jpg
本人がカードを所定の位置に置く。

obSch3.jpg
次の予定はこの赤枠の中に置かれる実物で示す。
提示するのは1つ(次の予定)のみをスタッフがセット。

obSch4.jpg
クッションならベットに行って休みなさい。
スプーンなら食事なので台所に行きなさい。
本人が実物を持って指示された場所まで移動します。

かなり「そのまんま」の実物を使っていて、目が点になりました。
ご本人は本当に「最重度」の方でしたが、コンポスト作業をされていました。

もう一人の方のスケジュール棚には、タッパーが並んでいます。
obSch6.jpg
左がスケジュールチェックのカード入れ。
右側3つのタッパーに予定を入れます。

obSch7.jpg
スケジュールチェックの方法は1人目の方と同じ。

obSch8.jpg
次の予定をタッパーに入れます。
混乱しないように、他のタッパーの蓋は閉めます。

obSch9.jpg
提示する実物が見えないように黒い布で覆ってあります。

obSch11.jpg
    ↓
obSch10.jpg

①食事なので台所へ
②ベットで休みましょう

3つ終わってから、改めて①のタッパーにスタッフが予定の実物をセットします。

唸ってしまいました。
ベタ付きでないと無理・・・。

そして
私が今までこうくんにいかに無理をさせてきたかを思い知りました。

私たちだって、能力の限界までフルに利用して日々生活している訳じゃない。
そんなことしてたら、気が狂う。

生活は無理のない、丁度良い加減でなきゃ成り立たない。
ただ単に「理解出来る」とか「分かる」ではなく
「無理なく分かる」方法で提示しなきゃ、疲れちゃうよねぇぇぇぇ。

この施設を見学した後、佐々木先生に最重度者への支援や地域移行に関するモヤモヤ感をぶつけて、ばっさり切られ、久々に大泣きした私だったのでした。(これについては、機会があれば又書きます。)

で、書いた記事2つ
大泣きの理由~地域生活~
地域交流












posted by こうまま at 16:20| Comment(7) | TrackBack(0) | TEACCH部視察研修 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
解説すごく分かりやすいです!タッパーもいいアイデアですね。実物と言っても、より抽象的なものから実際に使う具体的なものまであって、やっぱり奥が深いです。スケジュールチェックの仕方など一連の行動を身につけるまでが大変なんでょうね。ただ実物を見せて誘えばよいと思ってましたから・・。

質問なんですが、
・CLLCの利用者は幼児、学齢期から構造化された教育を受けてきたのかどうか?

・コンポスト作業ってどんなものなんでょうか?農園の仕事ですよね?

Posted by コアラ at 2006年08月23日 18:17
さすが、コアラさん。
いいこと聞きますねぇぇぇ。
そうなのです。
ここに来ている方達は、幼児期、学童期に構造化された教育を受けずに、行動障害などさまざまな問題があり、州外からノースカロライナに来た方たちなのです。
何歳位で来たのか、ここがスタートして何年たつのか・・・
ちょっとメモにないので、一緒に行った方に確認します。
気になりますよね。

コンポストは、私が見たのは、生ゴミを肥料作る場所のフラフープでマーキングされた中に入れる、という作業でしたが、他の作業もあるのかもしれません。
かき混ぜる・・・とか?
それはスタッフがやってる気がしますけど。
Posted by こうまま at 2006年08月23日 18:33
視察研修報告が毎回素晴らしい報告で
ここへ来るのが楽しみだったりします。
スタッフがほぼ1対1で対応し、大変手厚いって、現在の日本では考えられないですね;;
この前こうままさんが紹介していた本、
2冊あたしも頼んで届きました。
もっと色々なこと勉強していきたいです。
2.3日前にメールを送ったのですが
届いてますでしょうか。
Posted by かあこ at 2006年08月23日 19:48
(無理なくわかる)
本当に重要なキーワードですね。

しかもそれは一人一人違う。
そういうことが徹底しているのだと思います。

(無理なくわかる)ためのスケジュールであり、構造化です。そういう基本的なことをこうままさんの日記によって再確認させられました。
Posted by クローバー at 2006年08月23日 20:06
◇かあこさん
メールしたっっっ
遅くなって申し訳ないでございました。
黄色い本(ハンドブック)は私ボロボロになってるんだけど、そのトンデモナイ本に佐々木センセのサイン頂きました(爆)
こうくんに破られちゃって、表紙とかないのよ~~~。
デトロイト空港にて・・なんて書いて下さって・・・嬉しい私なのでした。

◇クローバーさん
まさに・・・そうなのです。
無理なく分かるための構造化と視覚支援なのですよねぇぇぇぇ
パット見て一瞬で(爆)
難しいですけども。
Posted by こうまま at 2006年08月24日 00:54
こうままさん
お答えありがとうございます~。

画像のような実物提示の様子が、構造化された教育が継続されてきた結果なのか、そうではないのかが気になりまして・・

早期から取り組むことが効果的なのと、成人期からでもマンツーマンに近い支援が必要ですがスタートできるってことですね。
Posted by コアラ at 2006年08月24日 17:32
>画像のような実物提示の様子が、構造化された教育が継続されてきた結果なのか、そうではないのかが気になりまして・・

わかります、わかります~。
私もそこがすごく気になって・・・
同じような「かなり重度」な方の成人ディサービスのような通所施設があって(前回ご紹介した所とな別の)、そこは親の会が立ち上げたトコなのですが、相当重そうなのに実物提示がなかったんですよ。
で、みんな絵カードがわかるの?って聞いたら、学校時代から練習してきているからね、とのお応えでした。
そこの様子も、又書きますね。
Posted by こうまま at 2006年08月24日 19:05
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