2011年10月03日

やっぱ井上センセはステキ♪

ブログへのコメントで第3弾が出ていることを知り早速購入して読みました。

inoueB-2.bmp

自閉症の子どものためのABA基本プログラム3
家庭で無理なくできる
生活・自立課題36

井上雅彦・編著(学研)


これはですね。
すごくイイです。
みなさん買いましょう(爆)


ものすごくずうずうしくて
恐れ多いのですが

誹謗中傷を恐れずに
勇気出して書いてしまうと・・・

きっと、ゆうの勉強会や茶話会に来ているママ達は
この本を読んだら
「いつもこうままが言ってる話じゃん」って思うと思います。
視点や方向性が、ほぼ同じだと思いました。

例えば・・
井上先生が第一章でボトムアップとトップダウンで説明されている部分は
私が行動援護従業者研修でICF(障害があってできないという考え方ではなく、どうしたら活動出来るか、どう工夫したら社会参加できるかという考え方)のトコで話してる話と全く同じです。
支援付き自立に絡めて、個人因子と環境因子へのアプローチの量が年齢で変化していくことを伝えているのですが、なんと、使ってる例まで「買い物」で同じなんです(笑)

本の挿絵はこれ
inoueB-1.bmp

私が使ってるスライドはこれ
kanko-2.bmp
個人因子へのアプローチはいわゆるリハビリテーションで、訓練とかトレーニングです。
環境因子へのアプローチは環境の工夫や人の支援にあたります。

私はこうくんの買い物特訓の例を出して
ある時点で、お金の支払いを練習するのをやめて
支援者が支払っている間、よゐこで待てるスキルの獲得を目指すように方向転換した話をしています。

本から引用をします。

重要なのは、買い物は健常の人達と同じようにできるようになってから、あるいは成人になってから、と教えることを体験させることを先送りにするのではなく、実年齢相応に、本人がやりたければやりる状況においてあげることです。

私が考える療育の目標は、自閉症という障害のためにしたいことができないという状態を受け入れることではなく、またトレーニングによって障害から生じる困難をすべて克服しなければならないということでもありません。だからといって、なんでも他者がしてあげる、ということでもありません。「本人がしたいと思えば取り組むことができる」機会をつくることが生涯を通じた療育の目的であり、その手段がスキルアップトレーニングであり、環境の工夫なのです。ボトムアップとトップダウン、そしてトレーニングと環境の工夫や支援は、療育の中で矛盾する概念ではなく調和させるべきものです。


上記の井上先生の文章に、私は100%同意します。
プログラムとかが先にあるのではなくて、まず本人ありき、なんですよね。
だから偏らない。
いいな~~~。

生活・自立課題36は
分担執筆で、事例集になっています。
なので、そのまま自分の子どもに・・というものではありません。
カスタマイズが必要です。

この本の事例は
字が見にくい方に「メガネをかけるといいですよ」という提案をしているものです。
度数をあわせるのは親御さんの仕事になります。

考え方や方向性を学び、ヒントを得て、自分の子どもに合わせて調整して実践するというのがいいと思います。


それにしても。
井上雅彦先生というのは
何とも懐の広い専門家だなぁと思います。
この本
表紙にABAプログラムって書いてあるのに、中身を開くと「あら?TEACCHの本だったかしら?」って錯覚しそうになります。
素敵です。

私は親なので
子供の行動がよくなれば何だっていいです。
何だってアリです。



でも、専門家の場合は多少違う場合があるようで・・・。

私は今までに2回ほど専門家に打ちのめされてココロが折れそうになったことがあります。

一人はABAを極めている方で
地域の支援者向けの研修をお願いしようと追っかけをして口説き落としてほぼOKだったのが
私が会報に書いたTEACCH部視察研修やPECS研究会の記事を読んで激高し
「TEACCHだのPECSだの、そんな半端なものは絶対に認めない」と切り捨て
私が尊敬する先生方をけちょんけちょんに批判しました。
私は、そのあと半年ほど精神のバランスを崩しました。

二人目はTEACCHをハードコアにされている方で
「親で支援者なんてあり得ない」と言い切り先輩母を批判しました。
親が作るサポートブックもかなりけなしていました。
その方と会って話してから
私は数ヶ月不眠に苦しみました。


そういう意味で
井上先生みたいな柔軟な懐の広~い専門家が増えて欲しいなぁと心から願います。

ちなみに
このシリーズの1と2についての記事は以下です。
本の紹介なんて1年に数冊しかしない私なのに、2冊ともきっちり書いてました。(笑)

シリーズ1「家庭でできるABA」
シリーズ2「ちょっと切ない・・かも」


posted by こうまま at 00:39| Comment(12) | TrackBack(1) | 本・TV・映画 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
へぇ、日本も同じなんですね。こっちも、ABAの第一人者はABAしかやっちゃダメ。GFCFの人はダイエット命。VBの人はDTTを否定する。
結局「自分が一番正しい」=自分以外は排除なんですよね。
そんなのおかしいと思う。TEACCHだって、PECSだって、行動療法的な考え方がベースになってると思うし、VBだって、ABAのDTTのベースがなければできないことが一杯あったりするのに。

一緒に仕事をしてるABAの臨床心理士も私と同じ考えで、「子供を混乱させない一貫性」をベースに、いいものは取り込んでいこうよという考え方です。
そうじゃなきゃ一緒にプロジェクトなんか進められません。
親が支援者になれないなんていってる人はちゃんと、メジボフ教授著の"the TEACCH approach to Autism spectrum disorders"を買って、P19を読め!と言ってやりたいですな!
ちゃんと、教師や親の役目は私たちの文化と自閉症の文化の通訳、架け橋であると言ってます。(この章では、障害を文化に例えて語っているので、こういういい方になっています、)
だいたい、TEACCHの考え方がそんなに狭いものではないのは、上記の本を読めば、わかります。
他人を認められないような知性・ご性格の方に、我々の子供は理解できるとは思えませんねぇ。
そういう人とは関わらないのが、よろしと思います。
私の敵は精神分析ベースの「本人が目覚めるまで何もしないで待つべき」とか言ってる専門家たちです。(爆)
Posted by Gabrielle at 2011年10月03日 03:40
こうまま、そーんな目にあってたの(>_<)
なんて奴らだー(-_-#)
私もさぁ、こっちの話は全否定、そりゃもう、生まれてから今日まで、全て否定。自分とその仲間達のやってる事だけが正しいんだって人と絡んじゃって、面倒臭かったよー。
ほんっとに、言いたい事言いやがって、それならこっちも言わせてもらうよってなったけど、少し大人だから我慢した(笑)

あんな人たち相手してたら同じ低レベルに落ちるだけなので、スルーしちゃいましょ(笑)

井上先生の本、気になるんで買ってみます。
で、内容次第では息子の担任にも…(^_-)
Posted by がるしあ at 2011年10月03日 04:33
行動療法をバックグラウンドにされている専門家の中でも、井上先生は飛び抜けて柔軟性の高い方ですね。本当に貴重な存在だと思います。

ボトムアップとトップダウンの考え方については、いろんな人がいろんな表現で説明していますね。力点に多少違いはありますが、

発達支援 対 生活支援
遅滞モデル 対 欠損モデル
積み上げ 対 逆算

とかいろいろ見たことがあります。先日のコロニーでの小松先生の講演でもそんなお話しがありました。

もうちょっとオタクっぽい表現にすると、最近の療育技法の2大(?)背景理論である

発達論的アプローチ 対 行動論的アプローチ

という対比にも若干似た要素が入っているのだと思います。

親であり支援者である、ということをどう考えるのかは、とても難しい課題だと思います。

先日の日本自閉症スペクトラム学会のペアレントメンターに関するシンポジウムの中で服巻智子先生が、佐賀のペアレントメンタープログラムでは参加者に何らかの支援者としての「資格」がないことが条件になっているとおっしゃっていました。親としての活動が求められる場合には、それはひとつの見識かなとは確かに感じました。

一方で我々の業界にはローナ・ウィングという偉大な先人がおり、また実際にお子さんに障害があり、障害児のための医療活動をされている方も身近にたくさんいらっしゃいます。親としての経験や立場を上手く生かしながら、専門家として活動している方は少なくないと思います。

こうままさんの場合には、親モードと支援者モードの使い分けを(悩みながらなのだと思いますが)とても上手にされているので、そこはきっと大丈夫だと思いますよ。ただ確かに全ての親御さんが、うまく使い分けができる訳ではおそらくないということは、心にとめておく必要はあるのだと思います。
Posted by afcp at 2011年10月03日 10:26
私も早速、読みました♪
読んだ感想は『やっぱ、井上先生はステキだわ~』でした(爆)そして、内容は『なんだ~いつもこうままさんが言っている事ばかりじゃん』でした(爆)

特に『ボトムアップとトップダウン、そしてトレーニングと環境の工夫や支援は、療育の中で矛盾する概念ではなく調和させるべきものです』の療育観の部分が素敵♪
井上先生ていつも本人やその家庭を真ん中にした支援をされているのを感じます。『本人も家族も心を壊さない療育』とでも言えるのかな。

そう、そうなのよ~そういうのを解ってくれる柔軟な支援者がもっと増えてくれたらなぁ…というのが私も本音デス。

シリーズの1冊目・2冊目も良かったけどこの第3弾は『重い子』にも優しいから好きです。シリーズ1と2は内容は良いけど、重度の子には前段階がいりすぎたりしてすぐに使えなかったり親が参考にするには技術的にハードルが高いんですよね…

本の表紙に『小学校高学年からの…』と対象年齢が書いてはありますが実際はもっと幅の広い層が参考にできると思います。この本はタイムリーに使える人がたくさんいると思います。
Posted by サポ母 at 2011年10月03日 15:07
あちこちでいい本だと聞くので注文しました。ですがその日に用事ででかけたところのそばの本屋さんにありました。注文キャンセルできないし、入荷まで待つのがつらいです。

私は専門家とのお付き合いがほとんどないのですが自分が一番正しいという人がいるのですね。もう少し視野を広く持ってもらえたらと思います。

こうままさん大変でしたね。

昨日うちの自閉っ子が「パニックを起こさない方法」を教えてくれるというので私がパニック起こして子どものいうこと聞き逃しました。パニック抑えるのに苦心した子に「おかあちゃんパニック起こすからいい方法教えてあげる」といわれるとは思いませんでした。親子で自閉ですが子どものほうが進歩してます。

Posted by 賢ママ at 2011年10月03日 19:37
◇Gabrielleさん
そうなんですよね~。
私の知人で、NCでお子さんが診断を受けた方は、ショプラー氏に「NCでは親だからこそ、大学院で学び専門家になった素晴らしいスタッフがたくさんいるよ。君も大学院きたら?」って言われたそうです。

◇がるちゃん
自分が「このセンセに教わりたいっ」て決めてアタック(古っ)した方達だったから、ショック受けたのよね~。
どうでもいい人の発言だったらスルーできたと思うんだけどもね。

◇afcpさん
なるほど。智子先生の言はその通りですね。
「親としての活動」なのか「支援者として」なのかはきっちり分けないといけないと私も普段から思っています。
これまで「キャラバン活動」と「ゆう」で分けてきましたが、メンター活動をゆうでやってるので、そこの線引きがちょっと難しいなと思っていました。
整理できそうです。
ありがとうございました。

◇サポ母さん
うはは・・・
素敵なコメントありがとうございます。
ホント、今までの2冊は「いい本だけど・・・」だったので、嬉しい3冊目ですよね。

◇賢ママさん
道を極めている先生方なので
上手におつきあいできれば得るところも多かったと思うのですが、私は下手でダメでした・・・。

お子さんに教われるっていいですね!!
気持ちが分かり合えるってステキなことだし。
Posted by こうまま at 2011年10月03日 20:58
親の会の活動を始めて間もない頃に出会えたのが井上先生でした…創設期にいろいろ教えていただきまして…
それで「専門家ってステキ!!」ってね。
単純だから私(^_^.)
で、やはり何人かの先生に近寄ったら切り倒されかかりました(爆)
皆が皆、井上先生じゃないんだって気が付くのも遅かったです私(笑)
井上先生の「エビデンス脱藩同盟」って書いてあったブログの記事がずっと支えなのですよ。
子ども一人一人を丁寧に見守ると最終的には「なんでもあり」で支え方が決まって来るのではないかと…あ、これは「親の勘」です。難しいこと良くわからない~(へっへっへっ)


Posted by きっしー at 2011年10月03日 23:47
◇きっしーさん
おお、同志よ~~~。

あの「エビデンス脱藩同盟」は感動に震えながらブログ記事を書いた気がします。

活動初期に井上先生に出会えたなんて、それは本当にラッキーでしたね!

私達って切り倒されなぎ倒されながらも、何とか踏みとどまって起き上がっていて、まぢエライよね~(爆)

Posted by こうまま at 2011年10月03日 23:58
こんにちは、初めてコメントさせていただきます、大久保と申します。

自分のブログでこちらのブックレビューを紹介させていただきました。

トラックバックをお許しいただければ有り難く思います。

どうぞよろしくお願いいたします。
Posted by 大久保賢一 at 2011年10月04日 15:50
◇大久保賢一さま
はじめまして。
コメントありがとうございます。
ブックレビューなんてとても言えない個人的趣味に偏った記事をご紹介頂き恐縮です。
トラックバックにつきましても、ありがとうございます。

先生の書かれた自己管理の部分はかなり説得力があり、納得!!って感じでした。
Posted by こうまま at 2011年10月04日 19:59
吐き出したね~。

言えるようになったのはきっといいことだよね☆

誰がなんと言おうと、姉さんは尊敬する支えです。
ぼくだけじゃなく、多くの親たちの。

いろんなところで頭をぶつけても、転んでも、何かをつかんで起き上がる姿に励まされています。この10年。これからも(^^)
Posted by カイパパ at 2011年10月04日 22:26
◇カイパパさん
ははは・・・・。
開き直ったってことかな。
Posted by こうまま at 2011年10月04日 23:12
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Weblog: 格物究理(かくぶつきゅうり)
Tracked: 2011-10-04 15:42