2012年12月10日

自己認知支援

昨日、名古屋で開催されたセミナー

講師は、北海道教育大学旭川校の安達潤先生。
テーマは『ASDの自己認知支援』

ずっとお話しを伺いたいと思っていた先生だった上に
今、ゆうの放課後ディに来ている高機能グループの子どもたちが直面している課題でもあったので
スタッフ3人と一緒に参加してきました。

とてもとても納得できるお話しでした。
「告知」
じゃなくて
「自己認知支援」

うん、その通り。

私は「告知」という表現にずっと違和感を持っていて、使うのがすごくキライでした。
だって
告知だと診断名を告げるだけになっちゃう。
それじゃ、何も解決しないどころか、辛いだけ。

自分ってみんなとちょっと違うとこがあって、
いいところも悪いとこもある。
でも、こんな風に工夫したら何とかなるんだ。
だから、何とかサバイバルしながら頑張っていこう。
みたいな。

そんな風に思えるように伝えられるのなら「告知」してもいいけど、そうできないならする意味がわからないと感じていました。
そして、そんな風に思える様に伝えられるスキルがあえば、「告知」はドクターじゃなくても、別の誰かでもいいんじゃないか、とか思っていました。

そしたら
安達先生も同じ事をおっしゃっていました。
もちろん、主治医と連携をとりながら、
ドクターよりも身近にいる専門職が伝えるほうがいい場合もあるのではないか、と。

告知は診断名を伝えたら終わりかもしれないけど
自己認知って自分自身を知っていく過程だから
1回でおしまいってことはない。
継続していく支援なんだ。

それは
私たち親が、
子どもの障害と少しずつ向き合い、
障害の「正体」を少しずつ知っていきながら
それに対応できる術を身につけていくうちに
徐々に「障害」を受け入れていく過程と似ているのかもしれない。

だから
自己認知支援は
本人の状態がいい時
自分である程度自己コントロールが出来るようになった時
にするものなんだ。

絶対に絶対に
状態が悪くて、不適応行動が出ていて
周囲が「これじゃ周りの子や他の親に説明が出来ないから」って困ってするものじゃ決してない!!

小4からずっと不登校のままで「オレは自閉症だから、学校に行かなくていいんだ」と言っていた20歳の方がいる。
その方は、自閉症がどういうものかも知らない。
校長先生が「そんなことをする子はもう学校に来なくていい」と言ったから「行かないことにした」のだと。
周りの大人が「あなたは自閉症だからこんなことばかりするのだ」と言ったのだと。

こういう不幸なことがなくなる世の中になってほしい。
切に
切に
そう思う。

そのためには
自己認知支援ができるスキルを持った専門職がいっぱい増えてもらわないと困る。
たくさんたくさん
増えてもらわないと困る。

posted by こうまま at 18:18| Comment(9) | TrackBack(0) | 講演会・勉強会 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
切ないですね。周りの都合での「告知」は・・・。
自己認知支援、良い言葉だなあ、と思います。
実は、障害名は告げていないけど(上手く伝えられないので)息子に告知のような事はこの夏行っています。
でも、それは本人から幾度か訪ねてきたのと、自宅という、正にそのタイミングだったから・・・。
大事なことだから本当に理解してくれる相手(親、主治医、今の担任の先生たち→ダイジョウブなので)にだけ話そう、といってあります。
Posted by ウリカエデ at 2012年12月10日 22:02
たいへん納得できる話です。その一助を担えるよう、専門職としてスキルを積まないといけないと思いました。いいお話ありがとうございました。
Posted by 梶川繁 at 2012年12月11日 08:34
小4の息子が、最近「ボクは障害児だから…」発言を頻繁にするようになったので、外からの情報で変にネガティブなイメージを持つ前にきちんと話をしなくちゃなあ、と思って準備を進めています。
「支援としての告知」
ペック研究所の吉田友子先生がまさに同じことをおっしゃっていて、著書の中で本人告知文のひな型を公開してくださっているので、それを参考に文面を練っています。
思考が口から漏れちゃうヒトなので、診断名そのものを告知するのはまだ早いかなと思っているんですが、流れでどうなるか…。
我が家的にタイムリーだったので、思わずコメント付けてしまいました。
Posted by あき母 at 2012年12月11日 10:52
最近ほいっぷへ行っても、もやもやしていて、薄暗いトンネルにポツンと居るような感じだったのですが、この記事読んで遠くに灯りを見つけた気がしました。

ありがとうございました。
Posted by ぱき子 at 2012年12月11日 11:25
◇ウリカエデさん
そうそう。
「大切な情報だから、決まった人にしか言わないようにします」というのも入っていました。
大事なことですよね。

◇梶川さま
はじめまして。
是非とも、スキルを身につけ、お仲間に広めて下さい!!

◇あき母さん
まさに「支援としての告知」という考え方、ですよね。
子どもの己認知支援のための親向けセミナーがあるといいですよね。

◇ぱき子ちゃん
そうなのか~。
先のことが見えない不安ってきついよね。
今日久々に電話で声が聞けて良かったです。
また、一緒に考えて行こうね。

Posted by こうまま at 2012年12月11日 17:44
つい先日のほいっぷ行く途中の車の中で

息子 今からどこ行く?
私 豊橋の病院行くよ
息子 どうして豊橋の病院いくの?

固まってしまいました。「豊橋にあるからじゃない?」と訳の分からない返事をしてしまいました。三歳児特有の「なんで?どうして?」攻撃なんだけど、いずれほいっぷにいくことをちゃんと説明しなければならない時が来るかと思うと憂鬱でした。

病名告げるだけの告知なんてまっぴらごめんです。夫の癌告知だってちゃんとそのあとの治療方針(見通し)がありましたし、でもやっぱり泣き崩れて放心状態でしたけどね。
Posted by ぱき子 at 2012年12月12日 02:26
◇ぱき子ちゃん
なるほど!
それは、固まるよね。
はぐらかしてしまうよね。

でも、良かったじゃん。
本当に聞きたいという気持ちで聞かれた時
または
伝えなくてはイケナイタイミングが訪れた時
それに今から備えられる。
準備できる。

Posted by こうまま at 2012年12月12日 19:14
告知…そうですね。
一週間前までは、歩いて仕事して家族に囲まれてはつらつとしていた人が、多分99.9%、もう歩けず、自分で息をすることもできず、でも、頭は正常のまま、という残酷な怪我があります。頸髄損傷と言います。
 これに、従来型の告知をしても、もしくはしなくても、どんなに後から支援しても、家族も本人もついてきづらいです。
 がんの告知についてぱきこさんが書かれていましたように、見通しあってのもの。
 今まさにおひとりその状態の方をかかえています。
 自己認知支援と考えると、科学的に正確なばかりの
告知として医師が担うより、セラピスト等が居場所をつくる手伝いをしながらやりとりするのが、適切ですね。
 告知は医療・行政の逃げにも繋がりやすいもの。
 支援は逃げられません。
 
Posted by しまなみ at 2012年12月13日 11:36
◇しまなみさん
脳は正常のまま・・・なんて残酷なことでしょう。
その自分の状況をどう「認知」したらいいのか。
想像しただけで震えます。

逃げられないのは「ご本人」ですよね・・・。
Posted by こうまま at 2012年12月13日 22:54
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