複数のケアホームを運営されている大きな社会福祉法人の管理者さんからのご依頼。
半年ほど前に、うちのヘルパー・トミーがほのくにPECS研究会で事例発表をしました。
【参照記事:どこに出してもはずかしくありません】
4つの事例を発表したのですが、その中に移動支援で自発を促し、喫茶店で自分で選んで店員さんに注文できるようになった方の事例がありました。
その方が、実はそこのケアホームの利用者さんで、別事業所の方からゆうの事例発表が素晴らしかったということを聞かれたのだそうです。
実は
これまで、何回かそのケアホームの世話人さんからはゆうの支援に対しての疑問やご意見などを頂いていました。
「喫茶店に行く」という支援自体、最初はなかなか理解していただくことができませんでした。
日中頑張って働いたお金で月に1~2回喫茶店に行くことの本人にとっての意義やコミュニケーションスキル向上の可能性などを根気よくお伝えして、ようやくご理解いただいたという経緯もありました。
だから
「ゆうの考え方やゆうがやっている支援について、うちのホームの世話人さんたちに話して欲しい」という管理者さんからのご依頼は、本当に本当に嬉しいものでした。
思い返せば4年前
市の母子通園施設の指定管理を受けることになって
とよっちがそっちにへばりついちゃったから
私が放課後ディとヘルパーステーションの管理をすることになっちゃって。
ヘルパーさんたちの仕事内容が把握できなくて半泣きになりながら活動報告書を読みあさり
ミーティングであれこれ根掘り葉掘り聞きまくって・・・
そしたら、成人さんの夕方の散歩の多さにビックリして。
成人さんって、そんなにみんな散歩が好きなの???という素朴な疑問から始まった支援計画の見直し。
親御さんや世話人さんの「意向」と本人の「意向」の違いを肌で感じた最初の出来事でした。
ある利用者さんが以前イベントで行った喫茶店で食べたケーキセットの事をすごくよく覚えていて、行きたいと言っているという話が出たので
親御さん(世話人さん)の意向である体力作りのために歩いて遠くの喫茶店に行くことは、地域の方に知ってもらえるチャンスも増えるし、本人の働くモチベーションにもなるし、あいさつや注文などさまざまなコミュニケーションを練習する場面にもなるから、もう、一石5鳥くらいじゃん!!って話した記憶があります。
私は思いっきり本気なのにヘルパーさんたちが不安がるので、とよっちに相談したら
「それはいい。一人で行っても安全なようにサポーターを増やせばいいんだよ。忘れ物したとか、ちょっと困ってるときに助けてくれる地域の人を開拓していくのもヘルパーの仕事だよ」って言ったので、おお、さすが~って思ったのを覚えています。
でも
こういう支援はなかなか理解してもらいにくいです。
引いていく支援になるので親御さんも世話人さんも嫌がります。
本人のために親御さんや世話人さんを説得することも時には必要になります。
プロのお仕事ってそういうものだと私は思ってます。
だから
今回の
「ゆうの考え方や支援について話して欲しい」というご依頼は
これまでのゆうの支援を認めてもらえたということでもあるので
ミラクルに嬉しい!!!
感無量って感じです。
昨年、ヘルパーステーションの実践発表を何回か聞きましたが
うちのヘルパーさんたちは、本当にいい仕事をしているって思います。
アウトプットする場を作って来たことが今回の依頼にもつながった訳なので
私もいい仕事したって事じゃん!!(爆)
広がるといいな。
本人主体の地域支援。
この記事へのコメント
火の国
こうまま
ホント、不思議ですよね。
当たり前の事というか、普通のことだと私も当時は軽く考えていました。
でも、それが、結構難しかったんです。
きっと理由はいろいろあったんだと思います。
例えば、工賃は将来のために少しでも蓄えておかないと、と親が考えるのは当然のことだろうと思いますし。
火の国
工賃は将来のために・・・なるほど。。
でも使う喜びを知らないと、働く気になれないと
上岡先生だったか佐々木先生だったか
おっしゃっておられたような・・
こうまま
その通りだと思います。
まずは欲しい物がある、それをゲットする方法を知っている、が労働意欲につながりますよね。
そうった点も親御さんや世話人さんたちにお伝えしている事です。
そうそう。
ケーキセットばかりだと体重が・・・というご心配もあったかもしれません。
やはり健康維持は大事です。
なので、ジムに行って自転車こぐ、といった支援も多いですね。
器具の使い方や時間の見通しの持ち方を視覚支援するなど、できることはいっぱいあります。