2016年10月22日

医療における合理的配慮とは

先週、こうくんが焦って階段に足をぶつけてしまいました。
焦った原因は
直前に自分で粉砕したプラスチックの破片で指を切り
バンドエイドを貼ったため
いつもの感覚とは違っていて
大事なビニールを落としてしまったためです。

誰もビニールなんて取り上げないのにねぇ・・(母のつぶやき)

で、「この足なんとかしろ~」としつこく見せに来るので、靴下を脱がせたら
親指の爪の根本からちょこっとだけ血が出ていたのでバンドエイド貼ってあげました。
で、翌日には腫れ上がっておりました。

kossetu-1.jpgkossetu-2.jpg
こ・・・これはヤバイ感じじゃないですか?

で、受診することにしたのですが
行きつけの整形外科はないので
とりあえず、通っている生活介護から一番近いとこを選んでトライすることにしました。

私が事前に受付や問診を済ませ
指定された時間にこうくんととよっち到着
んが
こうくん
車から降りません。

とよっちとお出かけだ、おいしいもの食べられるぞ~
って思っちゃってるから
訳のわからないとこで降りるもんか!って感じなんだろうな~

看護師さんに事情を説明し、車の中で診てほしいことをお願いしたのですが
「往診はできません。診察室に来ていただければ診察します。車から降りたら声をかけてください。」の一点張り。
絶対降りないモード全開のこうくん・・・
あきらめモードで泣きそうな私を尻目に果敢に交渉するとよっち
「別の病院に行った方がいいということですか?」(←診療拒否ですか?の意味)
「いいえ、ちがいます!!」と看護婦さん。
「先生と話をさせてください。その上で相談させてください。」
「その前に、部位を見せてください」(←治療を受ける意思があるかの確認)

ハイエースに乗り込む看護師さん
こうくん、治療が嫌な訳じゃなく
ただ、車から降りたくないだけなので
足を差し出し「早く何とかしろ~~~」
kossetu-3.jpgkossetu-4.jpg

看護師さん、ようやく先生につないでくださいました。
先生は「診ましょう。車を裏口に横付けして」と言ってくださいました。
とっても気さくな先生で
「ああ。これは痛かったねぇ。」
私が「折れてないか心配で・・・」と言ったら
「折れてるでしょうね」とあっさり。
「えええ。どっ、どこが???」
「場所は特定できないけど。」
「激しく動いたら骨がずれたりしませんか?」(青ざめる私)
「ここじゃレントゲンは撮れないからなぁ。エコーで診ようか。エコー持ってきて」
なななんと
超音波検査の機械を看護師さんが3人がかりでハイエースに運び込んでくださいました。
こうくんはめっちゃ平和に素直に検査に応じてくれて
「あ、ここだと思ったけどここの関節は綺麗だな~。あ、ここだ!うん、ここが痛いよね。」
と、こうくんの反応を確かめながら画面もみながら骨折箇所を特定してくださいました。
「ここなら、テーピング固定でも大丈夫。良かったねぇ。」と。
こうくんの様子を見て、ギプスもシーネも難しいと判断して
できる最善の方法を提案してくださいました。

良かったぁぁぁぁ・・・

折れてるといわれて地獄の底に落ちた私でしたが(だって、どうやって固定して安静にするのよ)
テーピングで大丈夫な箇所だとわかって、すっきりさっぱり。
超音波ありがとう!!
運んでくださった看護師さんありがとうございます。
青ざめた私の顔を見て速効でエコーで診ましょうと言ってくださった先生、ありがとうございます。

今回学んだこと
治療してもらえるかどうかは
患者に治療を受ける意志があるかどうかが重要
医療における合理的配慮のための「意思表明」の第一歩は「治療部位を見せる」こと

こうくん、見事な意思表明でございました。
車から降りない、といういかにも治療拒否と思われがちな状況の中で
こうくんは治療してほしくないわけじゃないことを確信していたので
それを説明できたことが良かったなぁと思います。

「診察室に来ていただければ診ます」と気色ばんでいた看護師さん
普段から、さまざまな無理難題を言ってくる患者さんの対応に苦慮されているのだろうなと想像しました。
「平等」にしないと回っていかないのでしょう。
でも
だからこそ
障害者差別解消法に基づく「合理的配慮」は
医療分野での柔軟な対応に寄与できると思います。
まさに「コンプライアンス」じゃないですか!!!

知っていただきたいです。
差別解消法。

2月にフォーラムします。
医療従事者の方にも来ていただきたいので
頑張って広報せねば!!

ちなみに
ハイエースに持ち込まれたエコーで検査してもらうこうくんの図
はかなりレアものだと思ったのですが
あまりに不謹慎だと思って写真に撮れませんでした。

posted by こうまま at 01:08| Comment(5) | TrackBack(0) | オピニオン | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
差別解消法を印籠みたいにしてほしくない
Posted by at 2016年10月22日 20:34
その通りですね。
振りかざしたり武器に使うのではなく、「合理的に」調整していただけるよう「建設的対話」をしていくのが大事だと思います。

そして
法律を持ち出さなくても、配慮してもらえるのが一番いいと思います。
そういう意味で言うと
「差別解消法を印籠みたいに使わせないでほしい」と切に願います。
Posted by こうまま at 2016年10月22日 21:00
「こうくん、治療が嫌な訳じゃなく
 ただ、車から降りたくないだけなので」
ここがもう一歩繋がって下さればっっと思う一方で
円満に車内治療に応じているこうくん氏が実はスゴイ。気がする

医療機関も、院内でおとなの患者さんがパニックになるより
ずっと平和できちんと加療できて「合理的」だったと思います。
看護師さんのために「車内エコー運搬加算」とかあればもうちょっと解決でしょうか

どうしても一部印籠さんいらっしゃるし、
私の周りでは「合理的配慮」はすぐにズレてしまいます。
研修行きたいかも…

Posted by ペンネ夫人@お早い回復を~ at 2016年10月24日 09:05
こうくんの場合、高等部でのトラウマがあるため、車から無理やり降ろしたら、一瞬で信頼関係が崩れ、信頼回復にはきっと何年もかかるので、何とかわかっていただくしかないと思っています。
「合理的配慮」が印籠じゃなく、本人の権利を守るために効果を発揮していくためには、当事者も親もしっかり学ぶ必要があると思って、2月のフォーラムを企画したので、必要な方に届いてほしいと思っています。
Posted by こうまま at 2016年10月24日 20:54
合理的配慮というものが葵の御紋になってしまった要因の一つに、我々バブル世代の気遣いとサービスはタダという感覚がどっしりと根を下ろしている事、無関係ではないと思っております。

自分もどこかで何らかの形で葵の御紋にしてはいないか。それをしてこなかったかと聞かれて、一度たりともそうしなかったと言える人は一人たりもいないと思っています。





Posted by at 2016年10月25日 09:08
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック