お題は
今だから考えたい、子どもが家族と快適に過ごすためのあれこれ
~幸せなオトナを目指して、 今、私たちにできること~
企画意図としては
平成24年度の児童福祉法の改定に伴う「放課後等デイサービス」の登場で、障がい児のサービスは劇的に増えたけれど、親子で過ごす時間が少なくなっている感じ。いいのかな、これで・・・。
このままで、親も子も支援者も、みんな幸せになれるのかな?と不安になっている中で、国は放課後デイサービスへの狙い撃ち(?)を始めるらしい・・・
これからの障がい児支援、どうなっちゃうの?私たちに出来る事は何?
そんなことをみんなで集まって考えよう。
というものでした。
第一部は、私とまーさんの子育て談議「こんな風に育ってきました」

昨年のゆうのフォーラムでも、あきちゃんへの素敵な生活支援の様子を話してくれたまーさん。
あきちゃんを育てる中で、親として大切にしてきたことをお話してくれました。
私からは、発達に凸凹のある子どもを授かって、子育てに困って学んで自分が変わったことをお話させていただきました。
タイトルを「こんな風に育ててきました」のではなく「育ってきました」としたのは、私たち親も、子どものおかげで成長してきたんだよという思いも込めているからです。
まーさんとは支援や子育てのベースにしているものが同じなので、50分では本当に足りなくて、何時間でも話していたい・・・という感じでした。
<参加者アンケートより>
・子どもの一番の良き理解者、応援できる大人になりたいと思いました(福祉職員)
・私なりの子育てをして、子どもを尊敬できていたらいいんだと、心の奥にある私の疑問の答えが出ました(親)
・子どもを育てていくにあたって、もっと勉強して、自分も育ちたい(親)
・事業所の選択基準で、最低限特性理解はしてほしいおっしゃっていましたが、相談員として市内に自信を持って勧められる事業所がないというのが正直なところです(相談支援専門員)
そして第二部
又村あおいさんによるわかりやす~い放課後等デイサービスのこれまでとこれから。

そもそも、あの24年の改正で、資格要件を「児童指導員」から「指導員」(要は誰でもいい)にしたのがアカンかった。
しかも単価も上がったから、営利企業がどかどか参入。
放デイもうかりまっせコンサルまで登場。
雨後の筍状態で毎年40%の費用の伸び。
そりゃ~狙い撃ちにされますよね。
使われているのは税金ですから。
で、ガイドラインが出たり、27年の報酬改定で専門員加算がついたりしたわけですが、焼け石に水。
ということで
30年の児童福祉法の改正と報酬改定では、放デイは相当厳しくなるだろうというお話でした。
すでに今年の4月からは資格要件が見直され、児童発達管理責任者は児童や障害児者の支援経験3年以上が必須になっています。
また、職員についても、児童指導員・保育士・障害福祉サービス経験者(そのうち児童指導員または保育士が半数以上)になっています。
そして、30年度以降、サービス提供体制が充足している場合には「新規の事業指定をしなくていい」ことになりました。
つまり
来年4月からは新規の放課後等デイサービスは指定されないと思っていい。
単価も下がるので営利目的の事業所は手を引くところも出てくるだろう、とのこと。
来年度以降、確実に放課後等デイサービスは減るだろう。
ガイドラインのほか、評価シートの実施と公表が重要になるので、保護者にチェックシートを求めてこない事業者は要注意。
これから求められることとして
一番重要なのは「必要な人に必要な支援が届く」こと。
国連の児童の権利に関する条約では、子どもの最善の利益と家庭養育を求めているのだから、保育所等訪問や訪問型児童発達支援の充実が不可欠で、本人と家族を応援できるような支援が重要。
そのためには支援者・行政・利用者のすべてが「新しい障がい児支援のあり方」を考えていく必要がある。
支援者には、専門性を家族にも還元する意識が必要だし
行政には従来のルールにとらわれることなく本当に必要な支援が届くように柔軟な支給決定が求められるし
保護者には「事業所にお任せ」ではなく、「我が家で使えるノウハウを共有」する意識がもとめられる
ってことは、すべてのキーを握るのは相談支援専門員だよね
というお話でした。

もう、首が痛くなるほど頷いてしまいました。
24年度以降の障がい児支援の状況に不安を感じ
相談支援事業所を立ち上げ相談支援専門員になった私。
でも、とてもあらがえないうねりを感じていました。
この30年の改訂が
お子さんと親御さんの幸せな未来につながる方向に向かってほしいと切に願います。
私も、相談支援専門員として、お子さんとご家族の幸せな未来のための応援ができるようガンバリマス。
<参加者アンケートより>
・ママ友から今後は少なくなるよと言われ、漠然と不安を感じていましたが、今後は親もしっかり考えて上手に利用しようと思いました(親)
・「家族支援=家庭養育を支援する」という視点が大切だと思った(親・福祉職員)
・全く知らなかった放デイの現状。今後どのような支援が必要なのか見通しが持てました(教員)
・今後、質のいいデイだけが残るといいな・・・そう期待しています(親)
・児発管と指導員の要件については最初からそうあるべきだったと思うところです(福祉職員)
第3部はプロジェクト部恒例のグループワーク
「みんなで考えよう~どう使う?どう活かす?福祉サービス」
ここはあまりにたくさんの意見が出て未だ整理できていないので
機会があればまた今度。
相談支援専門員としてもプロジェクト部(親の会)としてできることはまだまだあるなと感じました。
~懇親会~

又村さんは四日市に向かわれたので残念ながら欠席でしたが(この日3連投で翌日は岡山というハードスケジュールの中お越しいただき感謝感激でございました!!)
まーさんを囲んで楽しい時間が共有できました。
これからも、みんなでやっていこうね。
セミナーを終えての又村さんのコメントです。
『本当に必要な人には支援が届くこと、支援の総ボリュームが低下するのではなく、子どもの権利条約を基礎として、家庭養育がより良いものになるような支援のボリュームが増えていく(支援の構成要素が変容する)イメージを、子どもに関わる1人ひとりが共有することがポイントかな、と感じました。』
本当にそうです。
支援の構成要素が変容するイメージ、大事だと思います。
そのそも、「家族支援」の意味を取り違えている事業者やスタッフも多いと思います。
家族と一緒に穏やかに過ごせるのが一番いいですよね。
私も、毎年新人研修でこどもの権利条約をお話しします。
児童の支援をする場合、ここが戻り先ですよね。
この記事へのコメント
ペンネ夫人@ダークサイドの手前
キーワードのひとつに「家族支援」があって、でもその定義がお人やお立場によって違う場合にどうするか、ということなんでしょうか。
「でも、とてもあらがえないうねり」をどうするか、というヒントがもう少し明確にないものか、と、今回参加しましたが、明確な解答例というよりは、原点に戻って考えるしかないのかなぁ…という気持ちで帰ってきました。
でも今後、この制度設計では、どんどん個別化というか、たまたま出会った環境や人によって、その家庭のその後がまるっと決まってしまうということが進んでしまうのでしょうね。当事者性のない私が書くのは無責任かもしれませんが、本当に親御さんの発言というか、親の会の力がとても大切になるのだと思います。その点、愛知県はよいところだなぁと思って帰りました。「会いに行けるアイドルならぬ親の会」という又村さんのご発言がありましたが、私、あの場で何か売られたら買って握手して帰ったと思います。お話を聞く側にも、レジェンドさんがおられたり、刺激的な活動をされている保護者さんがおられたりして、鼻血が出そうでした(名刺を切らしていて自分に残念さを感じる)。つぼみの会すげー、と思いつつ、高島屋で地元に入ってないお店のセールを回って、最終のバスで帰りました。次の握手会が楽しみです…?
こうまま
ご参加下さってありがとうございました!!
もしかして、我が師匠、しましまさんのグループでしたか?
問題意識のある方たちが来て下さっていたので、とても有意義な時間になったと思います。
悩みはさらに深まりましたが・・・
ペンネ夫人@握手会希望
「悩みはさらに深まりましたが…」
やっぱりこうまま様もそうだったのですね。
私も、そういう意味では期待どおりではなかったというか、靄は晴れませんでした。ただ、同じようなことを考えている人がたくさんいることを実感できたことは良かったと思いました。
夏休み直前だからか、それこそ「家族支援」の意味を取り違えている方々の往来が激しいとかでカウンターの中の人が参っている様子で、時には理論武装してやりとりする対象だけど、さすがに見ていて気の毒になっています。
よく考えたら、穏やかにすごせている人(障害の重さはいっそ関係ない)は、カウンター前でも多分粛々と手続きが終わるのですよね。それをしみじみすることが当方でも立て続け。暑いから?