当事者ありきの視点

応用行動分析の井上雅彦先生がすごい事書かれていて、仰天しました。

求むエビデンス脱藩同盟

上を全部読んで頂きたいですが
お急ぎの方のために一部引用しますと

我々自身が「療法」や「技法」にこだわることをやめ、他の支援方法を総合した現時点で我が国の地域で利用可能なベスト・プラクティスを提案するといったレベルでのエビデンスを作っていくということを意味しています。TEACCH有り、感覚統合有り、音楽療法有りの協働でというわけです。

 行動分析学の研究者の多くの諸先輩方にはおしかりを受けるかもしれませんが、自分がどこを向いて立つか?というスタンスを考えた場合、療法やプログラムではなく、まずは当事者ありきの視点から、今すぐに実現できるエビデンスは純粋な研究的な希求と同時に今必要なことであると思うわけです。



応用行動分析の第一線におられる方がこういった内容を書かれたのを初めて見ました。
ものすごい勇気だと思いました。
井上先生って、なぁんて大きいのでしょう。

昨年冬、私は応用行動分析の素晴らしい臨床家に出会いました。
数回追っかけをした後、支援者向け学習会の講師をお願いしたいと思いアプローチしました。
途中まではうまくいっていたのです。
でも、私がNCのTEACCH部視察研修に行ったりPECSのワークショップを宣伝してることを知った瞬間、その臨床家は「同じにしてもらいたくない。武士の一分ならぬ、臨床家の一分だ」と言って態度を豹変させ、学習会は叶わなかったのです。
なんたる損失かと悲しくなり、私は自分を責め、その後数ヶ月間、すっかり落ち込んでやる気をなくしてしまいました。

おそらく
彼にとっては、私からの依頼はまさに「脱藩」に等しいことだったのでしょう。

だから
この出来事はお互いにとって、とても不幸なことでした。

(ま、その後、とっても素敵な療育トレーナーにお会いして、講師を受けて頂くことができ、いよいよ、来月から連続セミナーがスタートするので、もういいんですが。)

井上先生はアメニティーでも下記のように話されていたのだそうです。
アメニティに参加した知り合いはいっぱいいたのに、なんで誰もこんなスゴイ話を教えてくれなかったのよ~
(あ、行った知り合いは地域生活支援分野ばっかりだったかも・・笑)

「脱療法浪士同盟の結成? 「療法」を守るのではなく当事者を守る」

心理学・教育学の分野では、同じ現象を異なった理論で説明するという理論的立場の違いが、応用分野の交流を困難にしてきた。
専門家の責務は、それぞれが最大の力を傾け、「自分の療法の生き残り」ではなく、当事者とその家族の最大利益を考えて議論すべきである。
そのためには数少ない専門研究者・臨床家の力を、立場を超えて結集させ、組織を作り、支援メニューを出し合い、補い合いながら、日本のどこでも可能な効果的な支援メニューを検証することが急務になると考えられる。


有り難くて、泣けてきます。
あの年末の泥沼から、今、ようやく救われた思いがします。

井上先生に感謝・・です。
そして
優秀な応用行動分析の若い実践家達が、どうか、井上先生のような当事者ありきの視点を持って下さり、広くこの学問が広がることを期待したいと思います。

この記事へのコメント

  • 七星

    親も「先に療法ありき」になると子どもを見失う
    私自身も自分の苦い経験からもそう断言します!
    研究者のお立場からの発言は相当な覚悟と勇気が・・・
    本当に感謝です♪
    2007年08月10日 12:00
  • 五合庵

    こうままさん、お願いがあります。
    "求むエビデンス脱藩同盟" の文字とリンクさせたURLの最後の文字 "#comment" を消して、コメント文からでなく、井上先生の記事の始めから現れるように修正していただけないでしょうか?
    (クリックすると、私のコメント文が出現し恥ずかしい。)

    > 当事者ありきの視点
    http://homepage2.nifty.com/gajyumaru/
    上の "かじゅまる" さんのHPでは、診療における成功事例を掲示板で一般募集されています。
    このような手段等により、各専門家の人たちが、いろいろな場面での対応事例をどんどん構築していっていただけたら...。
    2007年08月11日 04:19
  • きらママ

    すごい、素敵な先生です。
    不勉強な私が言うのもなんですけど・・・
    まず、子ども(該当者)ありき・・・それが全てだと思っています。

    私も講師をさせていただく時に必ず話をさせていただく台詞がそのまんまでていて・・とても励まされる、嬉しい限りです。

    井上先生のように、療法ではなく、当事者、家族視点の専門家がたくさんおられると嬉しいナ~。
    (*、きらの主治医のK先生も同じ考えです)

    当事者に必要なことから掘り下げていく。
    何も知らない保護者ができるのは、その部分からだと思ってしまう。

    時間を見つけて、全てを読みたい!!
    素敵な情報をありがとう~!!
    こうままさん!!

    2007年08月11日 09:10
  • こうままさん、はじめまして。
    いつもこのサイトで勉強させていただいている、小学校の特学の新米介助員(40代)です。
    まさに9日に札幌の北星学園大学で井上先生の講演を聞いていたので、思わず書きこんでしまいました。時間が足りないもっと話を聞きたいと思う内容でした。案の定講演後アッと言う間に20数名程の人に囲まれていた先生でした。

    私が主に担当している1年生は、こう君ととても似た状態です。入学前に養護学校を勧められたそうです。こうままさんのこのサイトは本当に参考にさせてもらっています。このサイトだけでも素晴らしいのに他の活動までしていらっしゃる事に頭がさがります。どうぞお体に気をつけて暑い夏を乗り切ってください。私も教材作成など頑張ります。ではまた。
    2007年08月11日 09:24
  • こうまま

    ◇七星さん
    はじめまして。書き込みありがとうございます。
    私も療法とか訓練にはまった時期がありますので、自戒を込めて、そう感じます。
    目の前のこども自身をきちんとみつめるって大事ですよね。

    ◇五合庵さん
    すみませんでした~。
    直してみましたが・・これでダイジョブだったでしょうか?
    素敵なサイトの紹介、ありがとうございます。
    広がって欲しいですよね♪

    ◇きらママさん
    でしょぉぉぉぉ~。
    私も、同じスタンスなので、きらママさんと同じです。
    励まされますよね!!
    井上先生がおっしゃることにめっちゃ意味があると思います。
    今まで以上に、思いっきりファンになりました。

    ◇Aさん
    はじめまして。
    井上先生のお話、お聞きになられたのですね。
    羨ましいです。
    もし私がその場にいたら、きっと感激して大泣きしていたと思うのです。
    そのくらい、衝撃的な内容です。

    私のブログが何か参考になることがあったのなら、本当に嬉しいです。
    今後ともよろしくお願い致します。
    2007年08月11日 23:03
  • ルナルナ

    おはようございます。
    私も去年、PT(ペアレントトレーニング)でABAを学びましたが、先生があまりにも厳しかったのと、長男には合わない、病気と障害を抱える自分には無理だな、と思い、2~3回で辞めてしまいました。
    何かこの先生に「私の言っているとおりにやればいいのよ」という高圧的な態度が見てとれたので、抗不安薬を飲みながら参加していたように思います。ためになるというお母さん方が多い中、私は「ダメ母」というレッテルを貼られたようで辛かったです。

    何だか「親に都合がいいように」子供を操作しようとしてない?「事情があって実行できない親御さんはどうなるの?」そういう思いがあふれてきてね、、、

    井上先生のご意見は本当に素晴らしいですね。私もファンになってしまいました!!要は「当事者ありき」ですもんね!!
    2007年08月12日 08:43
  • afcp

    井上先生のお考えは素晴らしいものだと思います。自分も折衷型の発達障害臨床を教えられてきており、とても共感できる内容です。(それゆえに我々のグループは行動療法系の先生からは、非常に厳しいご批判をいただいたりもするのですが(笑))。

    蛇足かも知れませんが、一つ気をつけておくなくてはいけないのと思うのは、井上先生の書かれている「利用可能なベスト・プラクティス」というのは、「できることは何でもする」ということとは、おそらく似て非なるものであるということでしょう。それぞれのケースにあわせて、コストとリスクとベネフィットを見極める視点が大切だと思います。
    2007年08月12日 22:11
  • 五合庵

    > 直してみましたが・・これでダイジョブだったでしょうか?
    こうままさん、OKです。ありがとうございました。

    皆さんのコメントを読ませていただいて、ABAって楽しいんだよ!という事例を紹介したいと思いました。
    知人の音楽折衷の事例ですが...。笑えます。
    下のURLに記載されております。
    http://angel.ap.teacup.com/tsumiki-niigata/99.html
    2007年08月13日 06:01
  • クローバー

    当事者ありきの視点
    というのは、もっと簡単な言葉になおすと
    (当事者の幸せのために専門家の方が存在しているのか?それとも、専門家の方の幸せのために当事者が存在しているのか?)
    という軸を専門家のかたはどちらにもっていますか?
    ということを問うものだと思います。

    すごく大事なことだと思います。そこからいろんなスタンスや態度になって現れるわけですから。。。
    2007年08月13日 10:12
  • こうまま

    ◇ルナルナさん
    「私の言うとおりにやっていればいいのよ」なんて高圧的な方は、どんな場合でもきっとダメでしょうね。
    うちの地域にもそういう療育者がいて、妙に幅をきかせているので大変迷惑です。

    ◇afcpさん
    >それぞれのケースにあわせて、コストとリスクとベネフィットを見極める視点が大切だと思います。

    本当にそうですね。この視点を見失ってはいけないと感じます。
    でも、藁にもすがる思い親は多いのは事実なので、悩ましいことです。

    ◇五合庵さん
    ABAに限らず、こどもが変化していく(もちろんいい方向に)のは、楽しいものですよね。

    ◇クローバーさん
    もちろん、多くの専門家の方は当事者のことを思って下さっていると思うのです。
    ただ、それが時として、ちがった方向に向いてしまうことがあるのかもしれません。


    2007年08月13日 21:31

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