【自閉症児クラス】
GHA(Group Homes for Autistic)の運営する公立小学校の中にある自閉症児専門の教室。

GHAは、その名の通り、元々はグループホームから始まったのだけれど、28年の歴史を経る間に、ディサービスや公立小学校の教室運営まで幅が広がってきたそうです。
全生徒数500名の公立小学校の中に、4名の自閉症児クラスがあります。
LDやADHDといった発達障害の子ども達のためのサービスは全米規模で行われている特別教育の支援サービスがあるので、対象の子どもはそちらで支援を受けています。(リソースルームとかで・・ね)
当然ですが(TEACCHで、という意味で)壁に向かって机と棚が設置され一人一人に個別の空間が設定されています。

よくあるごく一般的なワークシステム。
TEACCHの本ではお馴染みのスタイルです。
ただ、知らない方がいるかもしれないと思ったのは→部分の「First&
Then」

このレベル(足し算・引き算)のタスクができるお子さんでも「今と次」の2枚のスケジュール提示をしています。
これはちょっとビックリしました。
確実に分かるまでは上の段階に進まないのです。
「失敗経験をさせない」というTEACCHの理念ですね~。
これに関しては、失敗して学ぶことがこうくんの場合結構あるので、私自身は全面賛成ではありませんけども、モチベーション維持のためには大切な事だと思います。
さて・・
このクラスに一人だけ「実物提示」のお子さんの机がありました。
当然、こうまま釘付けで、スタッフの一人に質問しまくりました(笑)

彼のオブジェクト・キュー
タスクも現在こうくんがやってる「入れる」や型ハメなどのごくごく初歩のものばかりでした。
そして、やはり特筆すべきは、隣に設置されたロッカーでしょう。

鍵付き収納棚(激爆)
いずこも同じなのです。
オブジェクト・キューもシューボックス・タスクも出しておいたら破壊されちゃうのだそうです。
なので、鍵付きロッカーからその都度スタッフが出しているのだそうです。
ははは・・・
どこぞの家のロッカーみたいですなぁ。
システムは、
次にやるべき事を実物で示して、その実物を持って移動し(その実物を置くべき位置が設定されている)活動を遂行したら、支援者がまた別の実物を手渡す
という、ごくごくシンプルなもの。
庭で遊んでるこうくんに、タオル見せて手洗いへ誘導し、お茶碗見せて夕食を知らせる・・・
幼児の自閉ちゃんの親なら誰でもやってる事ですよね。
ただ、障害が重いとその期間が長~いってだけの話です。
養護学校の先生が「行事参加の練習」について質問されていました。
「そんな意味のないことには参加しないから練習もしない。仮に保護者がどうしてもそれを望んだら、自分たちはプロであることに誇りを持って説明し保護者を説得する」と。
まぁ、この辺り、行事の多い日本の学校とは事情が違うので何とも言えないけれど、「そういう選択もアリ」であることも知って頂けたらと思います。
集団での行事に参加することが無意味だとは思いません。
ただ・・・限度ってのはあると思います。
サマープログラム中のちょっと学校が休みの日にお邪魔したわけですが、話のニュアンスから、どうも子ども達が親元に帰っていないような印象があったので、そこをちょっと突っ込んで聞いてみました。
そしたら、ここに来ている4名の子ども達は、行動の問題が大きいために、親御さんが育児出来なくてGHAに預けられた子ども達だったのです。
普段はGHAの子供用グループホームに住んでいるから、、当然休暇中も家ではなくてグループホームにいるわけですね。
ノースカロライナにおいても、やっぱり現状は厳しいのです。
育てられないくらい問題行動のある子はやっぱり存在するし、そういった子は親元離れた生活を余儀なくされていて、親元に戻すこともなかなか難しいのです。